note・BOOTH・Kindleの手数料はいくら?価格帯別の手取りと売る場所の選び方
デジタルコンテンツを売るとき、手数料は「率」だけでなく「1件ごとの固定費」と「出金時の固定費」の合計で効いてきます。noteはクレジットカード決済なら実質14.5%(事務手数料5%+その残りの10%)に、出金1回あたり270円の振込手数料。BOOTHは5.6%+45円。Kindleは35%または70%のロイヤリティで、消費税を先に除いて計算します。1,000円の商品なら、手元に残るのはnoteで855円(カード決済、振込手数料は別)、BOOTHで899円、Kindle(70%)で約636円です。この記事では、価格帯ごとの手取りを検算し、低価格ほど固定費が重くなる理由と、どこで売るかの判断基準を整理します。
note・BOOTH・Kindleの手数料を一覧で見る
2026年10月7日に各社の公式ページで確認した内容を、先に一覧にします。
| サービス | 手数料の構造 | 代表的な実質率 | 別途かかるもの |
|---|---|---|---|
| note(有料記事・マガジン) | 決済手段別の事務手数料を引いた残りに、プラットフォーム利用料10% | カードで14.5% | 出金1回につき振込手数料270円 |
| note(定期購読マガジン) | 事務手数料を引いた残りに利用料20% | カードで24% | 振込手数料270円 |
| BOOTH | サービス利用料5.6%+1件45円(2025年10月28日改定) | 1,000円で10.1%、5,000円で6.5% | 倉庫発送を使う場合は別途手数料。振込手数料は要確認 |
| Kindle(KDP) | 35%または70%のロイヤリティ。税抜価格に対して計算 | 70%で約63.6%が手元に(税込価格比) | 70%には配信コスト。70%選択にはKDPセレクト登録が必要 |
noteの手数料:事務手数料、利用料、振込手数料の3段階
決済手段ごとの事務手数料
noteの手数料はまず、購入者が選んだ決済手段ごとの事務手数料が引かれます。公式ヘルプでは次の率が案内されています。
- クレジットカード:5%
- 携帯キャリア決済:15%
- PayPay、Amazon Pay:7%
- noteポイント:10%
- PayPal:6.5%
購入者がどの決済手段を選ぶかは、売り手が選べません。つまり、あなたの手取りは購入者の選択で変わります。
プラットフォーム利用料:事務手数料を引いた残りの10%
事務手数料を差し引いた金額に対して、プラットフォーム利用料がかかります。有料記事、有料マガジン、チップ、メンバーシップは10%、定期購読マガジンは20%です。「販売価格の10%」ではなく、事務手数料を引いたあとの金額の10%である点が、率を合成するときのポイントです。
クレジットカードの場合は、1,000円の販売で事務手数料50円、残り950円の10%=95円で、手元に855円が残ります。実質の手数料率は14.5%です(5%+95%×10%=14.5%)。同じ計算を決済手段別に行うと、次のようになります。
| 決済手段 | 1,000円の手取り | 実質手数料率 |
|---|---|---|
| クレジットカード | 855円 | 14.5% |
| PayPay / Amazon Pay | 837円 | 16.3% |
| PayPal | 841円 | 約15.9% |
| noteポイント | 810円 | 19.0% |
| 携帯キャリア決済 | 765円 | 23.5% |
| 定期購読マガジン(カード) | 760円 | 24.0% |
上の表は、事務手数料と利用料をそれぞれ四捨五入で計算した概算です。公式ヘルプには端数処理の詳細までは記載されていないため、実際の入金額と1円程度ずれることがあります。
振込手数料:出金1回あたり270円
売上を銀行口座に出金するときに、1回の出金につき270円の振込手数料がかかります。公式ヘルプの例では、1,000円の記事をカード決済で1件売って出金すると、事務手数料50円、プラットフォーム利用料95円、振込手数料270円が引かれ、受取額は585円です。実質41.5%が手数料になる計算です。
同じヘルプに、1,000円の記事を4件売る例も載っています(カード2件、キャリア1件、PayPay1件)。事務手数料の合計は320円、プラットフォーム利用料は368円、振込手数料は270円で、受取額は3,042円です。4,000円売り上げて手元に3,042円なので、実質の手数料は約24%です。
ここで大事なのは、振込手数料は件数ではなく出金の回数にかかることです。何件売れても1回の出金なら270円、売上をためて回数を減らせば、1件あたりの負担は薄まります。次の表で、記事1本あたりの手取りが出金のタイミングでどう変わるかを見てみます(クレジットカード決済のみとする)。
| 記事価格 | 1件売れるごとに出金 | 10件売れてから出金 | 30件売れてから出金 |
|---|---|---|---|
| 300円 | −14円(赤字) | 229円(実質23.7%) | 247円(17.7%) |
| 500円 | 157円(68.6%) | 400円(20.0%) | 418円(16.4%) |
| 1,000円 | 585円(41.5%) | 828円(17.2%) | 846円(15.4%) |
300円の記事が1件売れただけで出金すると、手取りは256円で振込手数料270円を下回り、マイナスになります。出金の最低額や申請の期限などは、公式ヘルプで最新の条件を確認してください。
BOOTHの手数料:5.6%+45円と、倉庫発送の別料金
BOOTHのサービス利用料は、2025年10月28日13時の改定で「5.6%+22円」から「5.6%+45円」になりました。1件ごとに45円の固定額がかかります。ヘルプでは小数点以下は切り上げと案内されています。
もう1つ、倉庫発送(BOOTHの倉庫に商品を預けて発送を任せる仕組み)を使う場合は、別に倉庫発送手数料がかかります。同じく2025年10月28日の改定で、従来の1件26円から「商品価格×2.5%+商品個数×25円」(円未満切り上げ)になりました。以前から出荷実績や申請があった店舗には、2025年12月2日まで猶予期間があったと案内されています。ダウンロード販売のデジタル商品は倉庫発送を使わないので、この手数料は関係しません。一方、グッズなどの物販を倉庫発送で売る場合は、利用料と倉庫発送手数料の両方がかかります。振込手数料や、BOOTHあんしん配送などの配送サービスの手数料は、今回の確認では詳細を確認できていません。公式ヘルプで最新の条件を確認してください。
BOOTHの手取りを価格別に見る
| 販売価格 | サービス利用料 | 手取り | 実質手数料率 |
|---|---|---|---|
| 100円 | 51円 | 49円 | 51.0% |
| 300円 | 62円 | 238円 | 20.7% |
| 500円 | 73円 | 427円 | 14.6% |
| 1,000円 | 101円 | 899円 | 10.1% |
| 3,000円 | 213円 | 2,787円 | 7.1% |
| 5,000円 | 325円 | 4,675円 | 6.5% |
| 10,000円 | 605円 | 9,395円 | 6.0% |
サービス利用料は、価格×5.6%を切り上げて45円を足した額です(1,000円なら56円+45円=101円)。100円の商品は手取りが49円と、半分以下になります。倉庫発送を使う物販では、さらに手数料がかかります。たとえば3,000円の商品なら、倉庫発送手数料は3,000円×2.5%+25円=100円で、利用料213円と合わせて313円、手取りは2,687円です。
物販でグッズを売る場合は、手数料に加えて原価・送料・梱包費が必要です。原価・手数料から利益率を計算する(手数料5.6%+45円を入力済み)
Kindleの手数料:35%と70%、税抜で計算される
35%と70%の違い
KDP(Kindleダイレクト・パブリッシング)のロイヤリティには、35%と70%の2つのオプションがあります。amazon.co.jpの価格要件は次のとおりです(KDP公式ヘルプ)。
| オプション | 価格の範囲(税込の希望小売価格) | 配信コスト |
|---|---|---|
| 35% | 99円〜20,000円 | なし |
| 70% | 250円〜1,650円 | あり |
公式ヘルプには、日本の読者への販売で70%を選ぶには電子書籍をKDPセレクトに登録する必要がある、とも書かれています。KDPセレクトは、その電子書籍をAmazonで独占的に販売する条件のプログラムで、他の電子書店での同時販売ができなくなります。70%を選ぶということは、Kindleでの独占販売も選ぶことになる点に注意してください。
計算式:消費税を先に引く
Kindleの印税は、税込価格から消費税を除いた金額に対して計算されます。
35%オプション: 印税 = 35% ×(税込価格 ÷ 1.1)
例: 税込1,000円・70%・配信コスト0円と仮定 → 1,000 ÷ 1.1 = 909.09円 × 70% = 636.4円
配信コストは、電子書籍のファイルサイズに応じて決まる費用です。具体的な単価は、今回の確認では公式ヘルプから正確な数値を読み取れていないため、ここでは断定せず、「配信コスト=0円」で計算した値を表にします。配信コストが1円増えるごとに、印税は0.7円減ります。画像が多い本や容量の大きい本ほど、配信コストの影響が大きくなる点は押さえておいてください。
| 税込価格 | 70%の印税(配信コスト0円) | 税込価格に対する割合 | 35%の印税 | 税込価格に対する割合 |
|---|---|---|---|---|
| 250円 | 159円 | 63.6% | 80円 | 31.8% |
| 500円 | 318円 | 63.6% | 159円 | 31.8% |
| 980円 | 624円 | 63.6% | 312円 | 31.8% |
| 1,000円 | 636円 | 63.6% | 318円 | 31.8% |
| 1,650円 | 1,050円 | 63.6% | 525円 | 31.8% |
注意したいのは、Kindleの「手数料」の見え方です。70%を選んでも、税込価格に対する割合は63.6%です。残りの約36.4%のうち、約9.1%は消費税(税込価格の1/11)、約27.3%がAmazonの取り分(税抜価格の30%)にあたります。note・BOOTHの手数料率は税込価格に対して計算されるので、同じ土俵で比べるなら、Kindleの率は「36.4%」と見るのが分かりやすいです。ただし、noteやBOOTHで受け取る税込売上からも、課税事業者であれば消費税を納めるので、最終的な負担はどこで売っても同じ構造です。
価格帯別の手取り比較表
同じ価格で売ったとき、手元にいくら残るかを並べます。noteはクレジットカード決済で、振込手数料は含めていません。BOOTHは倉庫発送なしのデジタル商品、Kindleは70%・配信コスト0円での概算です(70%は250円〜1,650円の範囲のみ)。
| 販売価格(税込) | note(カード) | BOOTH | Kindle 70%(配信コスト0円) | Kindle 35% |
|---|---|---|---|---|
| 100円 | 85円 | 49円 | 対象外(250円未満) | 32円 |
| 300円 | 256円 | 238円 | 191円 | 95円 |
| 500円 | 427円 | 427円 | 318円 | 159円 |
| 1,000円 | 855円 | 899円 | 636円 | 318円 |
| 3,000円 | 2,565円 | 2,787円 | 対象外(1,650円超) | 955円 |
| 10,000円 | 8,550円 | 9,395円 | 対象外 | 3,182円 |
noteの値は、事務手数料と利用料をそれぞれ四捨五入した概算です。noteには出金時の振込手数料270円が別途かかり、BOOTHとKindleの出金コストは今回は確認できていません。Kindleの35%と70%、価格帯の上限・下限はKDP公式ヘルプのものです。
この表から読み取れること
- 500円付近が分岐点:noteのカード決済(14.5%)とBOOTH(5.6%+45円)は、およそ506円で手数料が同額になります(45円÷(14.5%−5.6%)≒506円)。それより安い商品はnoteが、高い商品はBOOTHが手取りの面で有利です。
- 高額商品はBOOTHが有利:10,000円の商品では、noteとBOOTHの手取り差が845円あります。
- Kindleは手取りが少なく見える:1,000円でも636円です。それでもKindleを選ぶ理由は、Amazonの集客力と、書籍として棚に並ぶことにあります。手数料だけで選ぶ場所ではありません。
自分の商品価格と決済の想定を入れて比較したい場合は、プラットフォーム比較ツールで販売価格を入力して、各サービスの手取りを並べると早く確認できます。
低価格商品ほど固定費が効く理由
手数料は、率だけで考えると安く見えても、固定額がある場合は価格が低いほど実質率が跳ね上がります。具体的に、3つの固定費があります。
- BOOTHの1件45円:100円の商品なら実質45%以上、300円で15%の固定費。率の5.6%と合わせて、100円の商品は51%、300円で20.7%になります。
- noteの振込手数料270円:出金1回の固定費なので、売上が少ないほど重くなります。月に1,000円しか売れないなら、出金すれば27%を振込手数料が占めます。
- Kindleの配信コスト:70%選択時にファイルサイズに応じてかかる費用。250円の本では、同じ配信コストでも、1,650円の本より影響が大きくなります。
固定費の影響を価格設定に反映するには、「欲しい手取り」から価格を逆算する方法が使えます。たとえばBOOTHで手取り500円を確保したい場合、価格をpとして、p−(p×5.6%を切り上げ)−45≧500を満たす最小のpを探します。計算すると578円で手取りがちょうど500円になり(578円の利用料は78円)、580円なら手取り502円です。note(カード)なら、手取り500円には価格約585円が必要です。固定費をカバーするために、低価格商品はまとめ売りや上位商品への誘導で単価を上げる工夫が有効です。
逆に、単価が高い商品ほど固定費の影響は薄れます。マガジン形式やセット商品にまとめて1,000円〜3,000円で売る設計にすれば、手数料率は10%以下に抑えられます。手数料計算ツールで、手取りから必要な販売価格を逆算する
どこで売るかの判断基準
手数料は判断材料の1つにすぎません。次のような順で考えると、迷いにくくなります。
1. 商品の形で絞る
- 文章・ノウハウ記事:noteが向いています。書いたものをそのまま販売でき、読者との距離も近くなります。
- 画像素材・テンプレート・PDF・グッズ:BOOTHが向いています。ファイル商品も物販も扱え、商品単位で販売できます。
- 書籍としてまとまった電子書籍:Kindleです。ISBNがなくても出版でき、書店の棚に近い見え方になります。
2. 価格帯で絞る
- 500円未満:noteが手取りでは有利。ただし出金回数を減らす運用が前提です。
- 500円〜1,000円:noteとBOOTHでほぼ同じ。集客のしやすさや、買い手が使い慣れているサービスで選びます。
- 1,000円以上:BOOTHの手取りが上回ります。note記事を高く売るなら、手数料の差も計算に入れます。
- 250円〜1,650円の書籍:Kindleの70%が選択肢。独占販売(KDPセレクト)を受け入れられるかが条件になります。
3. 集客の仕組みで絞る
手数料が安くても、見てもらえなければ売れません。すでにTwitter(X)やブログで読者がいるなら、導線の作りやすいnoteやBOOTHが有利です。ゼロから売る場合は、プラットフォーム内の検索やおすすめに乗りやすいか、同ジャンルの競合の数と価格はどうかを調べます。
4. 組み合わせて使う
1つに絞る必要はありません。たとえば、noteの有料記事で読者を集め、より詳しい内容をBOOTHのPDFで販売する、あるいは、noteで連載した内容をまとめてKindle本にする、といった使い分けが成り立ちます。ただし、同じ内容を別の場所で売ると、規約や独占条件(KDPセレクトなど)に抵触する場合があるため、事前に確認してください。
このガイドの限界と注意点
- 各サービスの手数料は改定されることがあります。この記事の数値は2026年10月7日時点で公式ページから確認したものです。
- noteの事務手数料・利用料の端数処理、noteの出金条件(最低額・申請期限)、BOOTHの振込手数料、Kindleの配信コストの単価は、今回は公式で確認できていません。表の値は「配信コスト0円」などの仮定による概算です。
- 表の数値は消費税の納税、所得税、住民税を含みません。副業の売上でも、条件によっては確定申告や消費税の納税が必要になります。
- 各サービスの利用規約の禁止事項(商品内容、二重販売、独占条件)は、この記事では扱っていません。出品前に必ず確認してください。
- スキル販売(ココナラ)や、クラウドソーシングの手数料との比較は、ココナラの手数料の記事とクラウドソーシングの手数料の記事を参照してください。
まとめ:手取りは「率」+「固定費」+「出金回数」で決まる
noteはカード決済で実質14.5%、出金のたびに270円。BOOTHは5.6%+1件45円で、1,000円以上なら手取りが厚くなります。Kindleは70%でも税込価格の約63.6%が手元に残る設計で、独占販売の条件が付きます。商品の価格が低いほど固定費が効くので、まず「いくらで売るか」を決め、その価格での手取りを比べるのが基本です。単価が低い商品は、セット化や上位商品への誘導で単価を上げる検討もしてください。販売価格の候補が決まったら、比較ツールで3つの手取りを並べて確認します。